背広姿のまま、手枕でごろりと横になった――石和鷹「蓮の秋田駒」②

もう10月か……。

今年のカレンダーあと3枚だけしか残ってへんやん！！

行方不明になってた秋からもようやく

便りが届くようになりまして、

しかし向こうからやって来るのを出迎えるよりは、

こちらから秋の方へ出向いていかなあかんような

そんな世の中とはなりにけり。

てなわけで、ちと間があきましたが、

石和鷹「蓮（れん）の秋田駒」の2回目を載せましょう！！

（1回目はこちら↓）

では、秋の秋田県へいざトリップ。

石和鷹「蓮の秋田駒」（『連の星月夜』福武書店刊に収録）より②

　神沼越郎が宿へ現われたのは、翌日の、夜もかなり遅くなってからだった。このころ、東北新幹線はまだ開通していない。

　田沢湖駅から車をとばしてきた、と神沼は言い、背広姿のまま、手枕でごろりと横になった。

「先生、少し瘦せたみたい」

　蓮の声には、いくらか、揶揄の調子がこめられていたかもしれない。そんなつもりは毛頭ありはしなかったのに……。

「疲れているだけさ」

　と、神沼越郎はほんのちょっとだが、気色ばんだ。「なにしろ短期間に、あれもこれも、何もかも処理してきたんだ」

「そうだったわね」

　と、蓮は言った。「先生、お風呂を」

　いたわりの気持がこみあげてきた。

　何はともあれ、湯あがりの神沼に冷たいビールをすすめ、一、二品のつまみものを帳場にたのんだ。夕食は車中ですませてきた、と彼は言う。だから、ビールだけで何もいらない。蓮がいるだけでいい……。

　たった一本のビールで、神沼の顔に安らぎがもどっていた。

Odilon Redon, Head of a Martyr

友川カズキさんの乱調秋田音頭を騒音寺の演奏で！！

友川さん御本人も御機嫌に御登場！！

いよいよ今週末の土曜日、

友川カズキさんが

石塚俊明さんと永畑雅人さんとのトリオで

来阪！！

10/4（土）心斎橋ホカゲにて

HOKAGE presents

『火影19周年特別企画

-友川カズキトリオIN大阪-

Kazuki Tomokawa in Osaka』　

　友川カズキトリオ

　友川カズキ(Vocal, Guitar)

　永畑雅人(パスカルズ / Piano, Accordion,Mandolin)

　石塚俊明(頭脳警察 / Drums)

前売り券はe+にて