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カフェ・サン・マルコⅡ 放逐の地、流謫の空、日常の崖、超常の涯、僕たちの心臓はただ歌い出す


過ぎ越しの少年 歩いてゐる 環百道路の向こう側 不気味に流れる根無し草 道草模様の漂流者 あゝ帰らざる故郷…… 棲めばエル・ドラド…… 記憶のギャラリーで迷子になって…… 愚者の漬物石と隠者の糠床……
by Neauferretcineres
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メモ帳
わてが最近、買うた酒 のコーナー
Kloof Street Swartland Rougeクルーフ・ストリート スワートランド ルージュ 南アフリカ赤ワイン
ふつうアフリカワインのラベルには動物やら何やらの生き物やら野生的な風景やらが
描かれてるものだけど、Mullineux(マリヌー)のこのワインのラベルは
夕暮れ時に一瞬見られる不思議な色合いの青空のような、淡い青の地に
控えめな金色で文字が記されているだけ。
そこがいい。
味は濃厚。空に憧れる土の浪漫と情愛、いささかの辛苦。

だが、ベージュ色の人影は彼の目の右隅から離れなかった――シムノン『倫敦(ロンドン)から来た男』①

石破首相も高市次期首相も
自民党にずっといてた人ではなく、
石破氏は一時、自民党を離党し新生党に参加し、新進党結党にも参加、
高市氏は新進党から自民党に入った。
こういう、異端というと大げさだけど、生え抜きでない傍流の人物を2人
続けざまに総裁・首相に据えざるを得ない、というところに
自民党の末期症状を見て取ることもできようか……。

もっとも石破氏の場合は、自民党を離れていた時期があることが
自民党の悪に染まり切っていない、プラスの作用をもたらした面もあるが、
高市氏の場合はどうであろうか?
新進党という出自はこのまま封印されたまま、
生え抜きの自民党議員以上に自民党員らしく振舞い続けるのか?
そして大方の予想通り、
安倍元首相の後継者・統一教会の擁護者として、
今後、君臨することになるのか?
或いは、ゼレンスキーのように
国民を戦争に引きずり込むための傀儡(かいらい)として?

高市とはいったい何者なのか?
恐るべきは高市なのか、それとも高市を担ぎ上げている背後の勢力なのか?
まったく得体が知れぬ……。
誰かあのお面を叩き割って、その正体を暴露してくれないか!!

ジョルジュ・シムノン『倫敦(ロンドン)から来た男』(長島良三訳、河出書房新社刊【シムノン本格小説選】)より①

 事態はつぎのように推移したかもしれない――マロワンは落ち着きはらって自宅に帰り、以後ロンドンから来た男とは二度と会うことはない。彼はロンドンから来た男を夜間にしか見ていないし、また朝も非常に遠くからしか見ていない。従って、何か事があっても、相手の顔がわからないと言い張れる十分な根拠となるはずである……。

 ところが、マロワンがドッグを一まわりして、鉄橋を渡り、断崖のほうへ向かっている間に、緑色の小舟は釣りをつづける代わりに、魚市場の方向にまっすぐに戻って来た。そして、ロンドンから来た男は、わざと呑気そうに、小舟が接岸する場所へと近づいて行った。

 マロワンはそのまま歩きつづけてしまえば、よかったのかもしれない。だが、大きなエイを見るため、ちょっと立ちどまってしまった。マロワンが再び顔をあげたとき、太陽の下で、緑色の小舟の影と、ベージュ色のレインコートの人影が彼の目の近くにあった。[漁師の]バティストらしき人影は、小舟の後方でオールをこいでいる。

「やあ、マロワン!」と、カニの籠を持って通りかかった者が言った。

「やあ、ジョゼフ!」

 マロワンは歩道を進みながら、もっと足の速度を早めようと決心した。だが、遅すぎた。彼ら二人を見ていようとマロワンをそそのかしたのは、緑の小舟《神の恩寵》のせいなのだ。人は、一つの光景の中に関心を惹かれる人間が二人もいると、どうしてもそちらに目が行ってしまうものなのである。バティストとロンドンから来た男の距離は、五メートルもない。彼らは、霜でおおわれたブロンズの係船柱(ボラード)によって隔てられている。太陽がのぼる前にたちこめていた霧はすっかり晴れ、空気は澄み、空の色は淡い青で、心地よい。世界の半分は、さざ波一つない、岸辺にも白い泡立ちさえしない海によって占められ、あとの半分は、明るい魚市場の周辺で少しずつ目覚めている。そして、町の奥のほうからは、さまざまな物音が生まれている――ベルの音、金槌をたたく音、つぎつぎと鎧戸の開く音など。

 両足でしっかりと立ち、パイプを口にくわえ、鉄道員の制帽をかぶったマロワンは、海を眺めているようなふりをした、海を眺めるのに馴れている人々のように。だが、ベージュ色の人影は彼の目の右隅から離れなかった。

「あの男は絶望的な様子をしているな」と、マロワンは考えた。

 しかし、ロンドンから来た男は年がら年中、同じ浮かない顔をしているのではないか? 彼はおかしな顔をしている。瘦せこけていて、とがった長い鼻をし、唇は青白い。それに、喉仏が突き出ている。

 男の職業を推察することは、むずかしい。労働者ではない――手入れの行き届いた大きな手、赤茶けた毛、角ばった爪。身なりは、[フランスの]ディエップにやって来る大部分のイギリス人の旅行客に似ている。褐色のツイードのスーツで、非常にシンプルだが、仕立てがよく、柔らかな襟である。フェルト帽をかぶり、良質のレインコートをはおっている。

 勤め人でもない。規律正しい生活を送る会社勤めの人間のようには見えない。マロワンは駅とかホテルとか、または港湾関係の仕事を考えてみた。

 不意に、マロワンの頭に最もふさわしい仕事、ロンドンから来た男の印象にぴったり合う仕事が浮かんだ。ミュージック・ホールかサーカスで働いていた男だろう。手品師か腹話術師、もしかしたら、サーカスの軽業師かもしれない。

だが、ベージュ色の人影は彼の目の右隅から離れなかった――シムノン『倫敦(ロンドン)から来た男』①_b0420692_21292671.jpg
シムノン『倫敦(ロンドン)から来た男』のスペイン語版
(原書はフランス語)

人生、絶句するようなことがいろいろありまして、
大阪出身の多田羅幸宏さんがやってるブリキオーケストラ
ニューアルバム『Trippin’ Night』のリード曲は「!!!」というタイトルだそうです



ブリキオーケストラは今週末、名古屋と大阪で
ブルボンズとライブでっせ!!

10/10(金)名古屋 ROLLNG MANにて
1011(土)大阪西成 釜晴れにて
だが、ベージュ色の人影は彼の目の右隅から離れなかった――シムノン『倫敦(ロンドン)から来た男』①_b0420692_21381493.jpg
だが、ベージュ色の人影は彼の目の右隅から離れなかった――シムノン『倫敦(ロンドン)から来た男』①_b0420692_21381802.jpg
今月のブルボンズとwilberryの対バン観たい……
だが、ベージュ色の人影は彼の目の右隅から離れなかった――シムノン『倫敦(ロンドン)から来た男』①_b0420692_21382161.jpg
来月は大阪からブラック・ドルフィンズがレッドクロスに!!

by caffe-san-marco2 | 2025-10-07 21:46 | 小説 | Comments(0)
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