カフェ・サン・マルコⅡ 放逐の地、流謫の空、日常の崖、超常の涯、僕たちの心臓はただ歌い出す |
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・Kloof Street Swartland Rouge(クルーフ・ストリート スワートランド ルージュ 南アフリカ赤ワイン) ふつうアフリカワインのラベルには動物やら何やらの生き物やら野生的な風景やらが 描かれてるものだけど、Mullineux(マリヌー)のこのワインのラベルは 夕暮れ時に一瞬見られる不思議な色合いの青空のような、淡い青の地に 控えめな金色で文字が記されているだけ。 そこがいい。 味は濃厚。空に憧れる土の浪漫と情愛、いささかの辛苦。 |
3連休の真っ只中であるし、 あんましシリアスなもの載せてもどうかなあ、てな感じなので、 今日は気楽に旅行記でも読んでみますか。 てなわけで、 井上ひさし・大江健三郎・筒井康隆の鼎談のつづきは 後日載せることにしましまして (筒井康隆さんの話を読みたい人はもうしばらくお待ちを)、 昨日は大江健三郎さんの話を載せたけど、 大江健三郎は愛媛の出身だから、 同じ四国で、香川県の旅行記にしましょうか。 てな成り行きで、 中里恒子さんの文章で、 ちょうど50年前の昭和50年のこんぴらさんを お参りすることにしたしましょう。 日本交通公社が出していた旅行雑誌『旅』に 昭和50年1月号から12月号まで1年間連載された、 中里恒子『仮寝の宿』の最終回からの抜粋です。 中里恒子『仮寝の宿』(日本交通公社刊→中公文庫)より① ☆さぬきのこんぴらさん こんぴらまいり……小さい頃からきいた言葉である。虎の門の歯科医へゆく時、私は、芝のこんぴら様の前を通る。たまたま十日であったりすると、屋台が出て、あのあたり一帯が賑かになる。今度は何処へ行こうかと考えた時、私はすぐ、さぬきのこんぴら様へ行こうと思いついた。 厳島へ行った時も、天橋立へ行った時も、日光へ行った時も、なんとなく俗な観光ずれた所という思いが一応はした。それに、私は以前にも行っている。こんぴら様も、そういう危惧はあったが、四国へ渡るのは初めてであり、俗な、と言われる所を再見して、いずれも、私は改めてそのよさを認識したので、こんぴらふねふねしゅらしゅしゅしゅの歌の、のどかさに惹かれて行った。 そして、行ってみて、たいへん面白かった、よかった、気分のよい旅であった。ただ時間はかかる。 東京発ひかり九時二十四分、岡山のりかえ宇野、宇野から高松まで連絡船、高松から急行琴平到着五時という長さだが、これは私の好みで、飛行機もある。連絡船は堂堂たるもので、瀬戸内海の島島の点在するなかを、滑るように走る。一時間というが、塩飽諸島は、海賊の出没した所、鬼ケ島は桃太郎伝説、屋島は那須の与一などと話しあっているうち、高松の灯台がみえ出した。安田嬢は粟島生れでこのあたりは領分内なので、連絡船のうどんが一番うまいとか、お国自慢を拝聴しているうちに着きました。 虎屋旅館は、門前の石段下の古色悠然たる構え、十五代三百年ときいて、まあ「将軍家みたい、」と軽口も出る。(略) 旅に出る前には、かかりつけの医師の診断を受けることを、[旅行記を連載中の]この一年間続けた。旅先で具合でも悪くなっては迷惑になるので、それを一番注意したが、どうにか無事終了、こんぴら様はその御礼参りである。 夕食のお膳を眺めて、安田嬢が、 「これはぎざめ、瀬戸うちのたこ、鯛、あさり貝は、どこでも、ざくざく採れます、味はいいし、小魚はいくらでも……漬物はあまりよくなくて、鮎は、よしの川のです、」 「ぎざめって、べらみたいね、」 「はい、べらですが、このあたりのはべらみたいに大味ではありません、烏賊も柔かいのです、」 私はそういう安田嬢に、家の近くまで来て帰りたくなりはしないかと尋ねた。彼女は断乎として、 「いいえ、仕事ですから、私用は考えません、でも電話だけはいたしますが、」 夕食をとっているうちにも、どんどこどんどこ太鼓の音がして、私もそわそわする。一日二日は、地元の氏神さまのお祭りで、十月十日は、大祭で、九日十日と、全国からの参拝者で、身動きもならぬさわぎだと言う。 私たちはいつも、そういうさわぎを避けて旅をした。 そのせいか、再見の場所も、しみじみとそのよさが発見された。旅も、若い時と、老年になってからとでは、誰でもその感じが異なると思う。その違いを、思いくらべてみるのも、旅の楽しさであろうか。 photo by Dan Gold 先日、逝去されたBALZACのドラマー真鍋貴行氏は香川県善通寺市の出身なんやね!! 善通寺市はこんぴらさんがある琴平町のお隣です べーやんの軽快でどこかしら陽気なドラムは こんぴらさんのお祭の太鼓を聞いて育った影響なんかな…… さあさあBALZACの一番新しいMVを見てみようやないか!! #
by caffe-san-marco2
| 2025-10-12 11:38
| 随筆・自叙伝・ノンフィクション・旅行記
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今月のパンク・ニュースでもお伝えした通り 石切神社でぐるぐる廻ってる人たちのように あてどなく果てしなく底知れず、青春奈落楽園をぐるぐる廻りつづけてる、 大阪の3ピースバンド百回中百回が待望のファーストフルアルバム『一生中学生』を 今月1日にリリースしてんけど、 サブスクで聴けるほか、CDの現物もあるねんけど、 なんとCDは無料配布となってる、けど、 配布とはいっても、 ライブ会場で百回中百回のグッズを買った人のみに 無料で進呈、というかたちになってます。 さらにライブ会場だけでなく、 取り扱い店舗ってのもあって、 その店で『一生中学生』のCDを写真に撮って、 SNSに投稿(#店の名前 & #百回中百回)すると 無料で進呈、という別の入手経路も用意されてまっせ!! 『一生中学生』の取り扱い店舗を現在、募集してるみたいなので、 うちの店でもぜひ置かせてほしい、という方は 百回中百回の人と是非コンタクトを取ってみてください!! 今は、ライブを観てみて気に入ったからCDを買うというパターンが大半やけど、 無料進呈やったら、 もらったCD聴いてみて気に入ったからライブに行ってみる、 という逆のパターンの人も出てくるやろうね……。 どこの誰がどんな経路でこのCDを入手してどんな聴き方をするのか 全く不明、というのも、なんか漂着した無人島から瓶詰めにした手紙を流すみたいで、 なんか面白いね!! まあこのブログかて、どこでどんな人が読んでることやら、 書いてる本人はほとんど把握してないし把握しようがないのが 面白いといえば面白いけど、 まあそんなにアクセス数あるわけでもないけどな (どのくらいのアクセス数があればええんかもよく分かってないしな)、 逆にこんな辺鄙な謎のブログにたどり着いたんはどんなご仁なんか、 そこが興味津々、 そもそもどうやってここまでたどり着いたんか、 ナゾがナゾを呼びます!! 井上ひさし・大江健三郎・筒井康隆による鼎談本『ユートピア探し 物語探し――文学の未来に向けて――』より② 大江 井上さんの話にはいつも、いろいろな言葉のナゾがあります。いまもたとえば「グラムシ」と「せむし」とかいうような趣向が封じ込めてありますね(笑)。 僕が子供のときに不思議に思っていたことのひとつは、岩窟王みたいな人が、たいてい小さい紙に小さい字でいっぱい書く。「あれは、どうして書くんだろう。インクが水にぬれたり、重ねた紙が湿気で貼りついたりして読めなくなってしまうことは考えなかったかな。しかし、よかったな、ちゃんとそれを解読して伝える人がいて」というようなことをいつも思ったものですね。さらには岩窟に閉じ込められているおじいさんが、なぜ暗闇の中で目が悪くなるほど書きに書くのだろうという気持も、心の中にひそかに持っていたわけです。 ところが、あれは――どうもこの年になると経験によってわかることがある(笑)――人類の経験に立って、ああした物語の作家は書いたんだと思いますね。すなわち、いろいろな場所で人間が書き残してきた、かつはその書き残したものが人に読まれるということがあるということを、ほんとにつくづく思うんです。最近発見された、『日本書紀』の原型かもしれない木簡の模写を見てもそう思いました。あるいは「地中海文書」についてもそう思うし、グラムシや金芝河にしても、ほんとに伝わるはずのないようなところでひそかに書かれたものが伝わっていく。それはまさに人間が物を書くことの原型だと思います。その希望に立って一人孤独に書く。そこが人間の面白さだと思うんです。 もう一つ、最近はカナダでも、また日本に帰ってきても、妙に外国人からの電話が多くて、それもインタビューの申し込みです。つまり十五年目だから三島由紀夫についてしゃべってくれということなのです。電話で話しているうちに、次第に怒りみたいなものを感じてくる。腹が立ってくるわけです。なんというか根本的に腹が立ってくる。こういうふうに根本的に腹が立った場合は、時にはスキャンダルになりますが、しかし僕はそのほうに従うことにして生きてきました。根本的に腹が立つほうに(笑)。 そして考えるのは、十五年前に勝手に死んでいった人間に、なぜ自分が責任をとらなければならないのだろうか、ということです。彼の自殺が、彼個人に収斂(しゅうれん)するものだけではなくて、それも意図的に社会へ残した大きな波紋というものがあって、僕たちはなかなかその波紋のつくった歪みから逃れられないでいる。たとえば今度、自民党が憲法についての党約を改定したりする背後にも、三島由紀夫の主張は関係している。それを考えてみると、作家として書くことを始めた人間が――初めから書かない人間はいいですよ――何かのイデオロギーのとりこになって、あるいはなったふりをして、自殺してしまうということは、どうも生き残る人間に対する侮辱だと僕は感じるわけです。 そして思い出すと、ヘミングウェイが死んだときに、いろいろな人へのインタビューがありましたが、いかにもおとなしいアメリカ人のジョン・アップダイクに対する質問があって、彼は、ヘミングウェイの死を「私はアメリカ人に対する侮辱だと思った、生き残るアメリカ人全体に対する侮辱としてそれを受け取った」と答えたのでした。それは生前のヘミングウェイがミスター・アメリカというような感じを、おおいに見せていたことともつながっていますね。そういえば三島由紀夫だって、ほんとにミスター日本という役を演じていたし、外国向けにはとくに日本の作家イメージを彼が代表しているわけです。その上であれだけ派手に自殺するということは、日本人に対する侮辱だったという気持を持つのです。 それを思うと作家として生き続け、書き続けていくことは、少なくとも同国人、同じ言葉の人間を侮辱しないことだと思います。そして書いたものが面白ければいうことはない。あんまり面白くないと、これは婉曲な侮辱じゃないかと読者にいわれるでしょうがね(笑)。 『巌窟王(がんくつおう)』というのは、 フランスの大衆作家アレクサンドル・デュマの 大長編小説『モンテ・クリスト伯』を 黒岩涙香が日本語に訳したときの題であります。 没後55年でもあるけど。 来月、平凡社ライブラリーから
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by caffe-san-marco2
| 2025-10-11 10:08
| 対談・対話・鼎談・座談
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それにしても国勢調査には難儀させられたがな!! ネットで簡単に回答できるはずが、
だってさ。 まったく恐れ入っちまったな!! パソコンのwindowsが古いせいなんだけど、 たしかに古いことは古いけど、 別にXPとかではないんだがなあ……。 スマホも持ってないしなー。 で、急遽、紙で回答することにしたんだけど、 回答用紙がマークシートになってて 筆記用具はシャーペンか鉛筆じゃないとダメなのね……。 家の中探しても、シャーペンも鉛筆も見当らなくて、 100円ローソンで食べ物買うついでにシャーペンも買おうとしたら、 シャーペンは売り切れで、しかたなく鉛筆を買ってまいりました。 で当然のことながら、鉛筆削りなんてものもどっか行ってしまってるから、 カッターで削りましたよ、新品の鉛筆を……。 てなわけで、国勢調査をやっとのことで済ませて、 なんか難儀極まる宿題をなんとか終わらせることのできた昭和の落ちこぼれ児童のような、 そんな心境であります……。 井上ひさし・大江健三郎・筒井康隆による鼎談本『ユートピア探し 物語探し――文学の未来に向けて――』(岩波書店刊)より① ☆小説の面白さ――イマジネーションと言葉の力―― 井上 僕は宿題を何もやってないんです(笑)。それでも未来ということを考えたときに、さっき大江さんが現在関心を集中しているものをつい引き合いに出してしまうとおっしゃっていましたが、実は僕もそうでして、グラムシという人が非常に興味がありますのは、思想的なことは僕よくわからないのですが、その生き方が核の冬の下にあるわれわれとちょっと似ているんです。似ているというと変ですが(笑)。つまり彼はムッソリーニによって牢屋に閉じ込められている。それ以前のトリノ時代にムッソリーニは社会党に所属し、互いに将来有望な革命家、社会改革家、思想家として張り合っていた。その後、一方はファシストの親玉になってくるわけですが、それは大衆小説的興味によれば、とてもよくあるパターンなんです。昔同じだったやつがというわけで、これは藤沢周平さんの時代小説にたくさんの例がありますが(笑)、独裁者が、かつての同志の思想家、革命家を牢屋に入れているわけです。それでなかなか殺せない。 牢屋にいるグラムシはどんどん体が悪くなって、つまりせむしになってゆく。グラムシはサルディニアというイタリアの辺地から出てきた人ですから、方言で苦労し、いろいろな人の援助でトリノ大学へ行き、その大学で思想運動に加わったわけです。僕は、牢屋にいながら、体力のつづくかぎり、自分を支えるために、そして獄外の肉親や、同志たちのために手紙を書き、ノートをとる彼と、われわれとは似た状況に置かれているという感じがするんです。未来をどう書くかは僕にはよくわからないし、考えてもいないんですが、どんどん体は老化していって、いままで一回引けばよかった字引を十回ぐらい引かないと字が書けなくなってくるみたいな状況でも、何か書き続けることがすなわち――ちょっとカッコいいんですが――物書きとしてボロボロになって全うしていくことが――ほんとうは早く死なないとダメなのですが(笑)、少なくとも三十代で死なないといけないのですが――、つまり作品と一緒に、それを書いている人間の気違いじみた一生懸命さみたいなことが、未来を目指すということにつながるような気がします。 グラムシは「ネズミと山」という短篇小説を創作しています。 我が子に読んであげてほしいという意図で グラムシが書いた寓話物語なのでありました……。 画像はそのスペイン語訳版。 さて、 シチリア島のワインは大きなスーパーとかでも わりと売ってたりするけど、 サルデーニャ島のワインも美味らしいですよ!! 穴場の産地というか、 知る人ぞ知る、って感じね……。 牢屋からの連想で、 今宵はP-MODELの「ルームランナー」を 聴いてみることにしましょう!! #
by caffe-san-marco2
| 2025-10-09 21:00
| 対談・対話・鼎談・座談
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石破首相も高市次期首相も 自民党にずっといてた人ではなく、 石破氏は一時、自民党を離党し新生党に参加し、新進党結党にも参加、 高市氏は新進党から自民党に入った。 こういう、異端というと大げさだけど、生え抜きでない傍流の人物を2人 続けざまに総裁・首相に据えざるを得ない、というところに 自民党の末期症状を見て取ることもできようか……。 もっとも石破氏の場合は、自民党を離れていた時期があることが 自民党の悪に染まり切っていない、プラスの作用をもたらした面もあるが、 高市氏の場合はどうであろうか? 新進党という出自はこのまま封印されたまま、 生え抜きの自民党議員以上に自民党員らしく振舞い続けるのか? そして大方の予想通り、 安倍元首相の後継者・統一教会の擁護者として、 今後、君臨することになるのか? 或いは、ゼレンスキーのように 国民を戦争に引きずり込むための傀儡(かいらい)として? 高市とはいったい何者なのか? 恐るべきは高市なのか、それとも高市を担ぎ上げている背後の勢力なのか? まったく得体が知れぬ……。 誰かあのお面を叩き割って、その正体を暴露してくれないか!! ジョルジュ・シムノン『倫敦(ロンドン)から来た男』(長島良三訳、河出書房新社刊【シムノン本格小説選】)より① 事態はつぎのように推移したかもしれない――マロワンは落ち着きはらって自宅に帰り、以後ロンドンから来た男とは二度と会うことはない。彼はロンドンから来た男を夜間にしか見ていないし、また朝も非常に遠くからしか見ていない。従って、何か事があっても、相手の顔がわからないと言い張れる十分な根拠となるはずである……。 ところが、マロワンがドッグを一まわりして、鉄橋を渡り、断崖のほうへ向かっている間に、緑色の小舟は釣りをつづける代わりに、魚市場の方向にまっすぐに戻って来た。そして、ロンドンから来た男は、わざと呑気そうに、小舟が接岸する場所へと近づいて行った。 マロワンはそのまま歩きつづけてしまえば、よかったのかもしれない。だが、大きなエイを見るため、ちょっと立ちどまってしまった。マロワンが再び顔をあげたとき、太陽の下で、緑色の小舟の影と、ベージュ色のレインコートの人影が彼の目の近くにあった。[漁師の]バティストらしき人影は、小舟の後方でオールをこいでいる。 「やあ、マロワン!」と、カニの籠を持って通りかかった者が言った。 「やあ、ジョゼフ!」 マロワンは歩道を進みながら、もっと足の速度を早めようと決心した。だが、遅すぎた。彼ら二人を見ていようとマロワンをそそのかしたのは、緑の小舟《神の恩寵》のせいなのだ。人は、一つの光景の中に関心を惹かれる人間が二人もいると、どうしてもそちらに目が行ってしまうものなのである。バティストとロンドンから来た男の距離は、五メートルもない。彼らは、霜でおおわれたブロンズの係船柱(ボラード)によって隔てられている。太陽がのぼる前にたちこめていた霧はすっかり晴れ、空気は澄み、空の色は淡い青で、心地よい。世界の半分は、さざ波一つない、岸辺にも白い泡立ちさえしない海によって占められ、あとの半分は、明るい魚市場の周辺で少しずつ目覚めている。そして、町の奥のほうからは、さまざまな物音が生まれている――ベルの音、金槌をたたく音、つぎつぎと鎧戸の開く音など。 両足でしっかりと立ち、パイプを口にくわえ、鉄道員の制帽をかぶったマロワンは、海を眺めているようなふりをした、海を眺めるのに馴れている人々のように。だが、ベージュ色の人影は彼の目の右隅から離れなかった。 「あの男は絶望的な様子をしているな」と、マロワンは考えた。 しかし、ロンドンから来た男は年がら年中、同じ浮かない顔をしているのではないか? 彼はおかしな顔をしている。瘦せこけていて、とがった長い鼻をし、唇は青白い。それに、喉仏が突き出ている。 男の職業を推察することは、むずかしい。労働者ではない――手入れの行き届いた大きな手、赤茶けた毛、角ばった爪。身なりは、[フランスの]ディエップにやって来る大部分のイギリス人の旅行客に似ている。褐色のツイードのスーツで、非常にシンプルだが、仕立てがよく、柔らかな襟である。フェルト帽をかぶり、良質のレインコートをはおっている。 勤め人でもない。規律正しい生活を送る会社勤めの人間のようには見えない。マロワンは駅とかホテルとか、または港湾関係の仕事を考えてみた。 (原書はフランス語) 人生、絶句するようなことがいろいろありまして、 大阪出身の多田羅幸宏さんがやってるブリキオーケストラの ニューアルバム『Trippin’ Night』のリード曲は「!!!」というタイトルだそうです ブリキオーケストラは今週末、名古屋と大阪で ブルボンズとライブでっせ!! 10/10(金)名古屋 ROLLNG MANにて 1011(土)大阪西成 釜晴れにて
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by caffe-san-marco2
| 2025-10-07 21:46
| 小説
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なんかもう季節感がわけわからんくなって でもとにかく10月らしいね……。 首相も新しくなるらしいね……。 冬(おそらくは厳しい冬になるでしょう)が訪れるまえにこの短い秋のうちに とにかく皮下脂肪をしっかりみっちり蓄えとかなアカンで!! ええっと大阪の話に移ると、 やっとこさあの例の万博が今月の13日でおしまい。 開催期間中、大きな事故もなく無事閉幕できそうだし、 一応黒字みたいなので、まあ成功かどうかは知らんけど、 やれやれっていう安堵の気持でいっぱいであります。 もちろん僕自身は万博なんぞには行っとらんねんけどね。 で、万博開催期間を避けて今年だけ遅らされてた淀川花火大会が 満を持していよいよ10/18(土)に開催!! 秋の淀川花火大会という珍事にぜひ皆さま、ふるってご参加ください。 今月は注目の新譜がいろいろありまっせ!! まずはなんといっても、 90年代アメリカオルタナロックバンドの旗手の1つであった、 あのレモンヘッズがなんと約20年ぶりに オリジナル楽曲のスタジオアルバム『Love Chant』を今月末にリリース。 もしかしたらこれは大事件やで!! もしかしたらレモンヘッズの来日公演もあり得る?! リーダーのイヴァン・ダンドは何年か前からブラジルに移住してるらしい……。 日本盤も発売されるみたいやし、かつてレモンヘッズに熱狂したという人も そうでない人も、この『Love Chant』をぜひ買って聴いてみて!! ちょっとでも気になった人は今すぐ予約。 今月、日本のバンドの新譜で注目なのは、 10/29(水)発売の核P-MODEL『unZIP』ね。 たぶんレモンヘッズのアルバムの国内盤と同日のリリースになる見込み……。 平沢進さんは約半世紀にわたって第一線で音楽活動されてるわけで、 それでもなお、まだまだ解放すべきものがあるということは なかなか大変なことでありますよ!! コロナの渦中に大阪で結成された3ピースバンド、百回中百回の 待望のフルアルバム『一生中学生』も要注目やでエ!! こちらはすでに10/1にリリースされて、サブスクで聴けるねんけど、 CDの方はCDショップでは売ってなくて、 ライブ会場の物販等での無料配布、というかグッズ購入者におまけとしてついてくる みたいな仕組みになってます!! つまりや、購入するんではなく交渉によってうまいこと入手するんやッ!! ライブでお馴染みの曲もいろいろ入ってるけど、 スタジオ録音されたバージョンをCDで聴いたら また格別とちゃうかな?! あと、先月のパンク・ニュースでも書いたけど、 ソープ嬢変死の20年振りのアルバムも 今月の15日にギューンカセットから発売となります。 レモンヘッズにソープ嬢変死に、歳月を経ての再始動が重なって びっくりビックリ玉手箱であります。 いやこれからが本番や! てなわけで、2025年10月のパンク・ニュースを さらにどしどしお届けしていきましょう! ☆花田裕之45周年ライブ×3days×長野ネオンホール 秋の旅行シーズンということで、関西を飛び出して、 長野の大注目ライブを紹介しておきましょう。 今年の6月、ルースターズの花田裕之さんのライブが 長野のネオンホールにて開催されて えらく盛り上がったみたいやねんけど、 今月またまた長野ネオンホールで花田さんのライブがあって、 しかも今度は、花田裕之さん45周年記念ということで なんと3日間にわたって開催されます。 3日目はすでに満席となっていますが、 1日目と2日目はまだ予約可能なので 関西からの遠征もぜひご検討ください!!
となってますよ。
☆夜ストが拾得で盟友と対バンの2夜 夜のストレンジャーズが京都の拾得で 2夜にわたり、盟友と対バン!! 1夜目はブルボンズと、2夜目は匕首蝮(ドスマムシ)と。 さらにイヌガヨのジャックさん、 THE SIX BULLETSの西島衛さんの 出演もあるのもうれしいところ。
☆十三&塚本 十三から堺に移転したファンダンゴが 年に1度だけ、周年に合わせて十三に戻ってきます!! 今年は10月26日、日曜日開催。 会場はいつもの十三ガブやで!!
”塚本バル”という、塚本の飲食店をあちこち巡る企画が開催されます!! バルカード(前売り800円 / 期間中1000円)を購入して、 お得なバルメニューを各店で注文してみてや!! ☆血と雫、レコ発ツアー 森川誠一郎さん、山際英樹さん、高橋幾郎さんによるバンド、血と雫が 7年ぶりのスタジオ作品『輝きを止めて』を録音し終え、 今月からライブ会場の物販にて販売!! で、そのライブですけど、京都→大阪→東京という順に 3日連続ツアーです。 この機会を逃さず、出来立てのCDをぜひ手に入れるべし、 そしてもちろん、血と雫のライブに余すことなく聴き入るべし。
☆カイザースがニートビーツとともに日本巡業 スコットランド発のビート・グループの伝説、ザ・カイザースが 30年振りに日本ツアー(といっても、東京・神戸・大阪だけやねんけど……。 ツアーというか、大半は東京にいてる感じね)。 旅のお供は、ビートのびっくり宝箱、大阪発のザ・ニートビーツや!
☆住之江の海辺で蛮族たちの音楽祭 大阪住之江の名村造船所跡地で 入場無料(ライブエリアのみ要3000円、18歳以下は無料)の音楽祭が開催されます!! 野外における潮風に吹かれる戦国大統領って感じね……。 とにかく音の船にみんな乗り込め!!
☆新しいキンコブにもう行った? 先月から新しい店舗(3軒目)に移転した心斎橋アメ村のキングコブラに もう行かれたでしょうか。 場所は2軒目があったところの真向い(三角公園がある方の並び)やから すぐ判るはず。 今月もこの新しいキンコブで熱いライブがいろいろ開催されますよ!! 王道ロックあり、怒濤のパンクあり、疾風のハードコアあり……。
パンク・ニュースはメルマガ配信もやってるで(文面はブログと同じ)。 よければ登録してみてな!! この素晴らしき秋が長く続いてくれたらええねんけどなあ……。 さすがにまだ冬支度する気にはならんし。 秋風に乗って乗せられて乗り倒して、あちこち出掛けてみたらええね。 ではまた来月!!
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by caffe-san-marco2
| 2025-10-05 17:02
| パンク・ニュース
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